人材育成通信をご覧の皆様、こんにちは。
コスモ教育出版『理念と経営』編集部の成田圭騎(なりたよしき)です。
今回は、これまで本ブログで断片的にしか紹介できていなかった、編集部の仕事について書かせていただきます。
編集部の仕事には①企画の考案、②取材、③編集業務と、主に3つの業務があります。
今回はこの3つについて紹介いたします。
まず、①企画の考案です。
書店や図書館へ行ったり、人に会ったりすることで情報を入手し、企画を考案していきます。そして、毎週月曜日に行なう編集会議で企画を提案し合い、掲載するものを決めます。
企画を考える際は、弊誌の理念と目的である「中小企業の活性化」と「読者がわくわくする経営誌をつくる」ということを必ず踏まえます。このどちらかが企画に欠けていると、どんなに面白くても不採用になるのです。
逆に、この理念を踏まえたうえで面白ければ、自分が考えた企画を誌面に載せることができます。
私は企画を考えるときは、今までの誌面にないようなものを意識して考えています。それは、誌面に新鮮さを出すことと、自分の視点を大切にしたいという思いからです。
7人いる編集スタッフはそれぞれ視点が異なります。上記に挙げた2つの軸の上にある、7つの個性がぶつかることで、毎月新しい誌面が生まれると私は考えます。
会議で企画が決まると、取材依頼と取材当日の準備を行ない、いよいよ②取材です。
『理念と経営』の取材では、企業にお邪魔したり、学者や専門家の方々にお会いしに行ったりします。また、外部のライターとカメラマンの方々と同行する場合もあれば、編集スタッフだけで行く場合もあります。
今回は、弊誌の柱の記事の1つ、「企業事例研究」の取材についてご紹介します。
「中小企業の活性化」を目的とした弊誌では、優良企業の経営者や学者の方々が登場する巻頭対談、「社長力・管理力・現場力」の三位一体の重要性を説く弊社代表・田舞の記事など、中小企業経営者の方のお役に立つ記事を多数掲載しております。
その中で「企業事例研究」は、主に中小企業の経営者の方に成功要因や経営哲学などをお伺いし、会社の写真とともに掲載する記事です。創刊時から連載しているこの記事は、事例の紹介だけでなく、経営者の魂がこめられた至言の数々に溢れています。
「企業事例研究」の取材では、インタビュー班と写真撮影班の2班に分かれます。
編集スタッフはカメラマンと2人で取材先企業の社内を見学させていただきながら、社員の方の働いている様子や企業の特徴が分かるものなどを撮影していきます。
このときは、ただ撮影するだけではなく、社内をご案内いただく社員の方に、撮影しているものについて話を伺っていきます。ここで得た情報は、写真のキャプション(誌面で写真の下に入れる説明文)で使用します。
取材で見たり聴いたりしたことは、誌面の都合上、すべてを掲載することはできません。
私はもったいないと思うので、本文でこぼれた話はキャプションに入れるように意識しています。しかし、それでも入れることができない情報もあるので、その分は泣く泣く掲載を断念し、記憶に留めておきます......。
それほど、中小企業の現場には、経営者の方や社員の方の工夫が散りばめられているのです。それは、「お客様に満足していただきたい」という思いの表れだと私は取材のときにいつも感じています。
このように取材では、中小企業の現場に触れるという、とても貴重な経験をさせていただくことができます。
取材が無事に終わると、最後に③編集業務を行ないます。
ここからは、どの記事にも共通する業務について流れを追って紹介します。
1、原稿を整理。
書き手の方から受けった原稿を整理していきます。文章全体を構成したり、タイトルとリード(タイトルそばに置く導入文)や小見出しを考えたり、誤字・脱字のチェックなどを行ないます。写真を掲載する場合は、カメラマンから写真を受け取り、どの写真を使うかを選び、写真に合ったキャプションを考えます。
2、デザイナーへ出稿(原稿を出す)。
整理した原稿を外部のデザイナーに渡します。その際に、写真の大きさや位置、誌面の雰囲気など、どういった誌面にするのかを打ち合わせします。
3、出てきたゲラを直す。
ゲラとは、原稿を誌面のように仮に刷った紙です(写真参照)。このゲラ修正し、デザイナーに返すことを繰り返し、記事を仕上げていきます。
【ゲラの写真】
【原稿整理に使う記者ハンドブック】
編集業務では、原稿に向かうだけではなく、書き手の方と原稿について話し合います。このやりとりから、文章の構成方法や書き方など、さまざまなことを教えていただいています。
プロの方からのご教授は、本では得られないものばかりなので、人との関わり合いの大切さを日々、実感しています。
以上が編集部の仕事の大まかな紹介になります。
これらの業務を、何本の記事を並行して行なっているのです。
これら仕事の1つひとつは、私を成長させてくれるとても貴重な経験です。
特に経営者や学者の方々、フリーで活動する方々との多くの出会いを通して、私はモノの見方や考え方、いろいろな知識などに触れることができています。
今後も、1つひとつの仕事から多くのことを学ぶことで自分を成長させ、学んだことを誌面に活かせるように努力し、誌面を通して日本を元気にできる編集者を目指して参ります。
そして『理念と経営』を、日本の中小企業経営者の方々をはじめ、社員の方、さらには読者や誌面にご登場していただく方々など、多くの方のお役に立てる存在である「日本一の経営誌」にしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、大阪センターの菅野奈々さんです。
どうぞ、ご期待ください。
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