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恋人のように顧客のことを考え、なくてはならない存在に
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●「顧客の現場にイノベーションを」
業界をリードする製品・サービスを次々と打ち出しているコマツ。
その起点となっているのが、顧客のあるべき将来像を一緒に描き、
新しい価値の実現を追究する「顧客価値創造活動」です。
●「品質と信頼性だけでは生き残れない」
ただし、昨今それだけでは通用しなくなってきています。
コマツは、「品質・信頼性を通じて企業価値を最大化する」を
企業理念に掲げてきましたが、今は競争の軸が変わってきているのです。
1990年代初めごろは、日米欧の市場が世界の売上の約8割を占めていました。
ところが、10年ほど前から新興国市場が爆発的に大きくなり、
リーマンショック直後は7割にも達しました。
そうなるとプレーヤーもメンバーも、
求められているものも大きく変わってきます。
しかし、新興国市場では価格と価値のバランスが取れていません。
より良いものが欲しいと言う一方でどんどん低価格化が進む。
安売りで勝負する新しいプレーヤーもどんどん出てきて、
品質や信頼性を置き去りにした商品を出すところも少なくありません。
●「価格競争力とは別の『新しい価値』を追求し、顧客に認めてもらうこと」
そんな中で品質と信頼性をベースとした企業活動を続けているだけでは、
新しい競合他社と互していけません。
しかも、そうした新興国の新規プレーヤーの技術レベルも上がってきています。
従って我々は、価格競争力とは別のプラスアルファの「新しい価値」を追求し、
それを顧客に認めてもらわなければなりません。
顧客がこうなりたいとか、こうしたいとか思ってる将来像を
我々が一緒になって考え実現していく。
それが「顧客価値創造活動」なのです。
日経ものづくり 2018年4月号
「挑戦者 顧客の現場に、イノベーションを
大橋徹二 コマツ代表取締役社長(兼)CEO」より
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■恋人に接するように顧客に接する
コマツには、「コアコンピタンス・アプローチ」と呼ぶ
顧客への姿勢があります。
まず顧客視点に立って自社で何ができるかを考え、
それを踏まえて競合他社に比べての優位性を
評価するというものです。
「顧客を恋人、競合他社を恋敵と考えれば分かりやすい。」
好きな相手にアプローチしようとしたところ、強力な恋敵が表れたとしよう。
人は、恋敵をやっつければ好きな相手がこちらを向いてくれると考え、
恋敵のことばかり意識してしまう。
しかし、恋敵がいなくなっても、自分が相手の求めるような人物となって
好いてもらわなければ恋は成就しない。
「顧客視点というと当たり前のようだが、できている企業は少ない。
つい競合他社との比較ばかり考えてしまうからだ。」
ともすれば日本のメーカーは、競合他社がこういうことをやっているから
自社はこうしよう、競合他社に打ち勝つためにこうしようという発想に
基づいて戦略を練りがちです。
これに対しコマツが第一に意識するのは顧客。
真っ先に顧客に向き合い、ニーズを引き出し、
それに対してコマツとして何ができるかを考えています。
日経ものづくり 2018年4月号 特集1「コマツの強さ」より
■「新しい価値」を追求し、顧客に認めてもらうためには
「従って我々は、価格競争力とは別のプラスアルファの「新しい価値」を追求し、
それを顧客に認めてもらわなければなりません。」
新しい価値を追求して、顧客に認めてもらえるか?
ここが重要ですね。
顧客に認めてもらえるだけの価値があるかないか?
・・・ですね。
恋人に接するように顧客に接する
・・・そこから顧客に最も必要なものは何か?
が見えてくるのですね。
株式会社日本創造教育研究所(日創研)
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