社長・幹部・社員さんが三位一体となって学び続けることが大切

 日創研の今年の社長方針は、
「~イノベーション(革新・進化)で会員企業の『成功企業』づくり~」です。

 日創研の目的と使命で、皆様もよくご存じの「中小企業の活性化」の前に、
今年から「人と企業の成功づくり」の一文を加えました。

 そして、今年の社長方針から生まれた新たな研修が新しい時代の社長学
です。秋分の日の連休中に、東京で古永講師によるマーケティング戦略の講義
第三講として開催しました。



 今週は大阪で「業績アップ戦略セミナーを二日間に亘って開催しましたが、
31TTコースのご受講生や多くの経営者の皆さんが、幹部社員さんと共に
学ばれました。

 業績アップ戦略セミナーは、業績アップの基礎知識とノウハウにポイント
を絞って学びます。
まずは実際に決算書を見ながら電卓を叩きながら、数字に基づく現状分析
を行いました。

 決算書を分析し、社員さん一人当たりがどのくらい稼いでいるのか
数字が弾き出されると、「これだけ?こんなに少ないの?」と多くの方が
愕然とされていました。

 社員さん一人当たりの経常利益が上がらない限りは、業績は上がらないです。
やはり、経営の勉強をしていないと、なかなか意識出来ないものですよね。



◆社員さんを大事に思う気持ちが強くなるほど、自然と業績が良くなり始めた◆


 佐賀県で有明海を望むプレミアムなリゾート旅館を営む「蟹御殿」
をご紹介します。

長崎県と佐賀県の県境、佐賀県太良(タラ)町竹崎地区。 
荒川信康社長曰く「佐賀県の"果て"の"果て"」の佐賀県の南端
小さな漁港にあります。

 "プレミアムなリゾート旅館"と"蟹"だと意外な組み合わせに見えますが、
地元の特産物として有名な"竹崎カニ"を食べることが出来る旅館です。

 現在は、この「蟹御殿」と、2005年6月に同じ佐賀県の奥武雄温泉
に開業した2名専用の全室露天風呂付き離れ「風の森」の大きく二つを
営んでおられます。


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 立地は良いとは言えませんが、有明海を一望出来る眺望とおもてなしが
最高の強みで、稼働率も96%とオンシーズンは予約が取れないそうです。

 1991年7月に開業した蟹御殿は、当初は売上の8割が竹崎カニ目当ての
団体客の昼食が占め当時は、昼食にどのお店も3時間待ち、多い時で
1日600人を受け入れていたそうです。

 しかし、宿泊のお客様は集まらず、ドライブインのような経営が
5年ほど続いていました。
2000年に貸切湯「有明海の湯」を開業した頃から、売上構成比に変化が
起きましたが、当時の若い荒川社長が空回りして、改善するどころか
スタッフに文句ばかり言う状態が続きました。


悪循環から改善に向かうターニングポイント


 当時は我流の"流"も無く、思いつきでチラシを作ってイベントを企画
したりと、闇雲に努力しましたが、どれも当たるわけがありません。

 経営計画を立てようにも、どうして良いのか分からない。
ある時、活けす屋の業者さんから日創研を紹介され、初めて学びに
来られました。

 講師から「あなたのような経営者だと社員はかわいそう」と言われ
衝撃を受け、会社の中では偉そうに言っているのに、外に出ると何も
出来ない自分自身に直面し、社員さんに向上心ややる気がないのは、
自分に原因があったことに気づかれたのです。

 同時期に、お世話になっていた会社の社長に相談すると、
「あなたがこのまま社長をしていると宿は潰れる。
 なぜならあなたは人を責めて文句ばかり言っている。
 そんな人に誰も付いてこない」
と指摘され、かなり落ち込まれたようです。


お客様が喜ぶことが一番正しい


 旅館は土日が最も忙しいのに、それでも週末も勉強に通い続け、
現場で汗をかいてお客様から叱られている社員がいることを思うと
帰りの車の中で涙が止まらなくなり、社員さんへの気持ちが自然と
変化していきました。

 気がついたら感謝の気持ちから、すべての社員さんを"さん"づけ
呼んでいて、社員さんを一層大事に思う気持ちから、"ありがとう"の
言葉が何百倍も出るようになり、その結果、社員さんとの一体感が
自然と高まり、接客やサービスが飛躍的に向上しました。


 「お客様の笑顔のために、私達の笑顔のために」の経営理念を
掲げ以降、根本の考えや姿勢を社員さんたちと何度も何度も継続
して話し合い現在は「お客様が喜ぶことが一番正しい」が現場の
判断基準となっています。

 以前、断水があった時、お風呂に入れない地元の方が有明海の湯
殺到し、「断水で困っておられるので、特別な配慮をしませんか」
と現場から提案が上がり、理念に基づいていれば、その時々の判断は
「現場が正しい」と荒川社長は伝えています。


「そんなことまでせないかんの?」と社長も驚きのおもてなし


 日付が変わって深夜12時、サプライズでお客様のお誕生日をお祝
しようと、社員さんが自主的に残ってバースデーソングとケーキで
お祝いしています。

 荒川社長が「働き方改革が」と社員さんを心配するそうですが、
深夜勤務の人たちと連携して行なっているそうです。

 ムチを打たれなければ走れない馬も悲しいですが、
蟹御殿の社員さんの心意気に「そんなことまでせないかんの?」と
社員さんのおもてなしに驚く話をしている時の荒川社長のお顔は、
自然とほころんでいるようでした。



 経営の勉強は、時流を絶えず掴みながら学び続けなければいけません。
一時期的に熱心に学ぶだけだと、過去の経験や体験に寄りすがる我流に
戻ってしまいます。
社長・幹部・社員さんが三位一体となって学び続けることが大切すね。



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このページは、日創研採用サイトが2018年10月 1日 11:16に書いたブログ記事です。

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